運動と関節の関係

運動をすることは健康に生きるためにとても必要なものです。

 

運動が与える影響は多岐にわたりますが、今回は「運動と関節(骨)」という視点で見ていきましょう。

 

骨の役目

骨の役目は、姿勢を保ち体を動かすだけではありません。運動をすると骨が元気になり、働きも活発になります。

 

体を昔は「體」と書きました。体にとって骨が大切なことを昔の人は良く知っていたから、骨に豊という字で表現したのだと思います。

 

私たちの体には206個の骨があります。ただし、退化したしっぽの骨にあたる尾骨のように、人によって骨の数が異なる場所があるので206プラスα個ということもあります。

 

骨は姿勢を保ち、体を動かす役目をしていますが、実はそれ以外にも重要な働きがあります。

 

赤血球や白血球などの血液の成分を作る働きと、カルシウムをたくわえるという二つの役目です。

 

①血液の成分を作る

まず血液の成分を作る働きを紹介しましょう。長くて太い骨の代表格といえば太ももの大腿骨(だいたいこつ)だが、このような骨の真ん中の心棒にあたる場所には骨髄(こつずい)がたくさん詰まっています。

 

骨髄には血液の成分を作る細胞(造血細胞)があり、赤血球や白血球などが作られています。

 

カルシウムをたくわえる

もう一つの働きがカルシウムの貯蔵庫です。体にある約60兆個の細胞の働きにはカルシウムが欠かせません。

 

全身の細胞にカルシウムが届けられるメカニズムとして、血液にはカルシウムがいつも一定の濃さで溶けています。

 

私たちの体にあるカルシウムの量は成人で800~1000グラムですが、そのうち血液をはじめとする体液、筋肉、神経などの組織に存在するカルシウムの量は約10グラムというところ。

 

あとの99%の量は骨にたくわえられていて、血液への出し入れが調節されているのです。

 

このような働きから骨はカルシウムの銀行とも呼ばれます。

 

運動をすると骨が元気になり、血液の成分を作る働きやカルシウムをたくわえる働きも活発になるのです。

 

骨の好物

骨は重力が大好物!運動は重力のご馳走
骨は重力をキャッチするセンサーが備わっている。体を動かすことも重力をかけるのには欠かせない。

 

重力は地球が私たちを引きつける力のことで、私たちが宇宙に飛び出してしまわないのは重力があるおかげです。

 

骨には重力をキャッチするセンサーがあり、大きな重力が加わると、骨はその重力に耐えることができるように骨を強くするカルシウムやコラーゲン繊維の量を増やします

 

運動をすると骨に重力をかけることになります。歩くことをはじめ、日常的に体を動かすことも欠かせません。

 

私たちが立ったとき、歩くときにすべての体重がかかる場所はかかとの骨ですが、重力をかける生活を実行するとかかとの骨にカルシウムやコラーゲンがたまってきます。

 

骨のカルシウムの状態を簡単にチェックする方法もあります。

 

身長が短くなっていないか

骨のカルシウムが足りない状態が続くと身長が短くなってきます。年齢を重ねるにつれ身長は少し短くなってきますが、若い頃に比べて4センチメートル以上一年間に2センチメートル以上身長が短くなってきたときは骨粗しょう症の黄色信号と考えたいところです。

 

背中が丸くなっていないか

/骨のカルシウムが少ない状態が続くと背中は丸くなり、状態が悪くなるにつれて丸みの頂点が腰の方へと下がってきます。壁に横向きになって家族や知人に見てもらうと丸くなっていないかどうかがよく分かります。

 

腰や背中が痛む

骨のカルシウムが少ない状態が続くと、腰や背中が痛むようになります。ただし、痛みが下肢に走る時にはほかの病気を疑う必要もあります。

 

骨と骨をつなぐ関節

関節は約250あり、その6割は手と足に。運動をすると関節への血液が良く届く。

 

体の骨が206プラスα個あることを述べましたが、骨と骨とを連結する関節は約250あり、関節の6割は手と足にあります。

 

関節で向かい合う骨と骨はぴったりくっついていて連結されていると思う人がいるかもしれませんが、実は骨と骨とはぴったりとくっついているのではなく、動かすのに程よい距離を保って連結されているのです。

 

もし、骨と骨とがぴったりくっついた状態であれば、体を動かすたびにこすれて、すぐに骨がすり減り変形してきます。その結果、体がゆがんでしまうのです。

 

骨と骨が程よい距離を保って、しかもなめらかに動ける仕組みになっているので、滑らかな動きをすることができるのです。

 

関節で向かい合う骨は、片方が凸の形をしていれば、もう片方は凹の形をしている凸凹コンビです。

 

凸凹コンビの凸面と凹面の表面はなめらかな軟骨でおおわれています。

 

鏡のガラス面のようななめらかな状態なので、「ガラスの軟骨」と名付けられていますが、ツルツルとなめらかによくすべるので関節の動きもなめらかになるのです。
凸凹コンビをすっぽり覆うのが関節を包む袋(関節包)で、内と外の二重の膜からできています。

 

内側の膜からは、粘っこい液が出て、ツルツル状態をいつも保つようにしています。

 

運動をすると関節への血液の流れも良くなり、関節の元気の元である酸素と栄養が良く届くようになるのです。

 

参考資料:
「筋トレ以前のからだの常識」 平石貴久

 

あたご整骨院ではこういった運動というものを、実際の施術の際に意図的におこすことにより血液の流れを良くし酸素と栄養が良く届く体を作っていくことで、体を改善させていくのです。

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